kodomoto

~こどもと一緒に何する?~

小学校6年生で発達障害の検査を受けた我が家の場合・・・(2)

発達障害の診察・検査を実際に受けてみたので、その経緯と流れを紹介したいと思います


発達障害かな?と思うところがあるけれど、実際に病院で診てもらうって、一体、どうすればいいのかわからない・・・。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方のご参考になれば・・・ということで、我が家が実際に発達相談センターで相談して、実際に発達障害の専門医がいる病院を予約をして、診察を受けるまでの流れをご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

発達相談センターに紹介された総合病院の精神科を受診することに・・・

発達障害の検査などができる、専門の先生がいる病院は限られています。

発達相談センターで相談した際に、地域で見てもらえる病院や専門の先生を何件か紹介してもらいました。

 

kodomoto.hatenadiary.jp

 

その中で家から近い総合病院に専門の先生がいたのでそちらを受診してみることにしました。とはいえ、初診の予約は週に1度の決まった時間しかなく、数カ月先まで埋まっているということで、私も例にもれず、3カ月先で予約を取ることになりました。

 

総合病院等では紹介状がないと選定療養費がかかる!?

予約で総合病院の精神科に電話をかけたときに言われたのは、2022年10月から紹介状なしの初診料が上がるということ。今回受診した病院の場合、初診時選定療養費が9月30日まで5,500円(税込)が 10月1日から 7,700円(税込)になるということでした。(この料金改定は、『かかりつけ医』普及の観点から厚生労働省が定めたものらしいです・・・。)

可能なら、かかりつけのお医者さんに紹介状を書いてもらうと良いですよ、との案内をもらいました。

とはいえいつも行っている小児科の先生はクセが強めで、小さいころからしっている人が多くいる中で、あんまりそんな話をしたくないことと、紹介状を書いてくれるようなイメージがないことから、躊躇してしまっていました。

そんなこんなでモタモタしているうちに、あっという間に時間がたち、予約日まで2週間と迫ってきてから焦りはじめ、そこで最近行き始めた病院にも連絡してみましたが、一旦診察が必要かつ、時間がある平日の指定時間しか対応できないということでした・・・。既に予約している診断の日も休みを取っているし、そんなに頻繁に仕事を休むわけにもいかず・・・。

ダメもとで何度か行ったことがある別の小児科に電話をしてみると、土曜日の指定の時間に来てもらえれば大丈夫とのこと。本当にありがたいことにすぐに対応していただくことができました。

 

今、困っていること・これまでの経緯を整理

紹介状を書いてもらうことになったものの、ただでさえ忙しい小児科の先生に無理言って書いていただくので、できるだけ困っていることやこれまでの経緯を整理しておこうと、発達相談センターでいろいろ聞いてもらったことなどを思い浮かべながら、改めて、一度、子どものことで困っていること、本人が苦労していることを整理してみました。

今現状で困っているのは、どういうことなのか?自分なりに整理をしてみます。こんなことで困っているなんて、変じゃないかしら?なんて思ったりすることもあるかもしれませんが、まずは書き出して整理してみる。

困っていることを整理してみるだけですが、それだけで何となく道筋が見えてくるような感覚があり、それはつまり、これまでは何に困っているのかも整理できていないような状況だったということなんだと実感しました。

「これはそんなに困らないことかもしれない。」と心が落ち着くような部分もあれば、「やっぱりこのままでは後で大変かもしれない」と思う部分もあり、子どもについても、自分についても、客観的に考えることができました。

紹介状を書いてもらった小児科の先生にも、まとめた資料をお渡ししたことで、紹介状を書いてもらうための診察時間も短縮できたように思います。(本当にお忙しい小児科の先生に、紹介状の作成を頼むのは本当に心苦しく・・・、ここに選定療養費は本当に必要なのか・・・?とモヤっとする気持ちはありました。とはいえ、そんなよくわからない費用に7,700円をポンと出せるほどの余裕もありませんので、紹介状を書いていただけて本当にありがたかったです。)

 

初診の結果、2種の検査をうけることに・・・

遂に初診の日、紹介状を書いてもらったときに作成したこれまでの経緯と困っていることをまとめた書類を持参して、話をしました。

子どもも一緒に受診して、先生の質問に答えます。そこで色々と話をして、2種類の検査を受けてみましょうということになりました。

その際、検査の詳しい内容について説明を受けたわけではないのですが、検査のうちのひとつはKABC-Ⅱ、もうひとつはAHDH評価スケールのConners3(日本語版 DSM-5対応)です。

 

発達障害の代表的な2つの検査

発達障害の代表的な検査には、WISC-ⅣとKABC-Ⅱという2の検査があります。それぞれ知的能力や記憶・処理に関する能力を測る検査です。それ自体で発達障害の確定診断をするというものではありませんが、発達障害の診断やサポートに活用されます。

 

WISC-IV

WISC-IVはウェクスラー式知能検査の一つです。WISC-IV(ウィスク・フォー)は、世界各地で使用されている児童用の知能検査として、全体的な知的能力や記憶・処理に関する能力を測ることができるため、発達障害の診断やサポートに活用されてます。

引用:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10449000172

WISC-IVの結果は、子どもの発達状況や、得意不得意を把握する上で便利な手段となりますが、その結果だけで発達障害の診断が確定するわけではありません。

 

KABC-Ⅱ

KABC-Ⅱは知能検査の1つでWISC-Ⅳと並ぶ代表的な検査手法です。認知能力だけでなく基礎学力を個別式で測定できる検査です。

学習支援を目的として「認知尺度(認知処理力)」と「学習尺度(基礎学力)」を測定します。100を基準に上下のばらつきをみることで発達水準を推定します。

認知尺度では得意な情報処理の仕方や計画性、理解定着力があるか、学習尺度は何年生レベルの学力を持っているかが分かります。

 

 

ADHD評価スケール

質問用紙を使って一貫した指標で行動を評価し、ADHDの診断に活用するADHD評価スケール。

現在、日本で使用されているADHDの評価尺度は「ADHD-RS」と「Conners 3」と「Conners Adult ADHD Rating Scale」になります。
但し、自己記入式の評価尺度なので、その結果だけで診断ができるものではなく、その他の検査や情報と合わせて診断に活用されるものとなります。

 

ADHD-RS

ADHD-Rating ScaleはADHDの診断基準である不注意、多動性‐衝動性に関する18項目を4段階で評価していく評価尺度です。

学校版と家庭版に分かれており年齢別に基準となる点数も設定されています。元来アメリカで作成された評価尺度で日本では2008年に翻訳され「日本ADHD学会評価スケール作成委員会」によって評価を行った上で日本版のスコアシートが作成されています。診断の参考として、薬物療法やその他の治療の有効性の評価などに活用されています。

 

Conners3日本語版 DSM-5対応

Conners3は質問用紙法によるADHD評価スケールのひとつです。

1960年代にジョンズ・ホプキンス病院のコナーズ博士が精神科を受診した青少年の問題を把握することを目的に、両親や学校の先生が記入できる尺度を開発したことをきっかけに作成されたそうです。その「コナーズ評価スケール」から改定を重ね2008年に「Conners 3」が登場。

日本版である「Conners 3日本語版」は親用、教師用、本人用があります。ロングバージョンでは親用110項目、教師用115項目、本人用99項目となっており、ショートバージョンはそれぞれ41項目で構成されています。

 

Conners Adult ADHD Rating Scale(CAAARS 日本語版)

上述したConners3の成人版の評価尺度で日本語版があり、18歳以上の成人を対象に本人用と家族用の2種類があり66項目の質問から構成されるものです。質問の回答結果からADHDの不注意、多動性、衝動性など各症状の困り感が数値で評価されます。

 

 

実際に検査を受けてみて・・・

初診の際に、Conners3の質問用紙を保護者分・本人分の2つ渡され、次の検査予約のときまでに質問に答えて持参するようにと言われました。

 

Conners3の質問用紙

親用110項目、本人用99項目の質問にそれぞれひたすら答えていく作業です。

子どもがやるときは、意味がわからないときだけ聞いてもらい、こちらからは口出しせず、本人に考え・答えさせるようにしました。

同じような質問が何度か繰り返されたり、言葉を変えて何度も同様の質問をされますが、直観でどんどん答えを記入するようにしました。あんまり考えすぎてもいけないと思い、純粋にここ数カ月を思いおこして、発生頻度によって答えるようにしました。

 

検査(KABC-Ⅱ)の回数と時間

KABC-Ⅱについては、2回ともいずれも2~3時間の時間がかかりましたので、その日は学校を遅刻・早退し、私は仕事だったので、祖父母に付き添いをお願いしました。(待ち時間が長く、時間をつぶすのが大変だったみたいです。協力に感謝です。)

 

検査(KABC-Ⅱ)の内容

子どもから話を聞いたところだと、いわゆる知能テストのような問題をひたすら解いたり、算数や国語の問題をやったりするようで、途中何度か寝落ちしそうになったということです・・・。(汗)
ずっと付きっ切りで検査者の方が立ち会われていて、検査に取り組む様子も含めて、結果をまとめていただいたものをもらいました。(ちなみに、検査者の方にも資格が必要なようです。(参考:日本K-ABCアセスメント学会

 

診断結果について

評価スケールの結果やKABC-Ⅱの結果を踏まえての診察では、2種類の検査について結果を印刷したものをいただいて、説明を受けました。

KABC-Ⅱについては、認知尺度と習得尺度について、各項目の評価点が書かれた書類と、受検態度・結果・所見が書かれた書類をもらいました。

Conners3については、本人と保護者の両方がひたすら質問に答えるようなもので、傾向として、発達障害の傾向が○%ある、というような結果が書かれたものを渡されました。

この結果を見ると「発達障害の傾向がある」と言えるので、「KABC-Ⅱで判明した認知・習得尺度の特徴を抑えて、生活を工夫していくと良いですね」という話となり、「薬の服用はすぐにするのではなく、一度生活を工夫してみたり、様子をみてみて、困ったことがあればいつでも相談にきてください」というようなお話しでした。

 

検査・診察を受けてみて・・・

結果については、なるほどと納得するものも多くありましたが、専門用語が多く、わかりづらい印象も受けました。その場で色々と先生に聞けばよかった・・・と私は少し後悔しています。

できれば結果をもらったときにどんどん不明点について話を聞いてみると良いと思いますし、事前に少し勉強できていたらよかったと思いました。

 

これからが本当のスタート

具体的な学習方法も少しだけKABC-Ⅱの結果にコメント記載されていましたが、実際、やろうとすれば時間も手間もかかりそうな感じではありあした。しっかりと時間をかけてその学習方法をサポートしてあげられるような体制ならいいのですが、親がフルタイムで働いているとなかなか難しいところです。

とはいえ、できるだけそのポイントを意識して、わが子の場合は、苦手な漢字を視覚的・語呂合わせで覚えられるように、参考書を購入してみたりしています。

 

 

実際、発達障害についてや今回受けた検査の活用方法について、まだまた私(親)自身がしっかりと内容を理解しなければならないと思い、いろいろと勉強しているところです。

色々と調べてもなかなか出てこないので、もっと具体的な方法のナレッジが蓄積されていくといいのかな?と思います。

もし、他にも同様に検査を受けて、「こんな風に活用しているよ!」という情報があれば、ぜひぜひ、コメントください!

分かってはいたけれど、検査や診察を受けたからといって、やはり劇的に改善するようなことはなく、結局は、対処療法をしていくほかないんですよね。

これからがスタート!

日々の仕事と家事、普通に子育てでも既に十分ハードワークなのに・・・、更にもっと頑張っていかないと!!と思うと、気分が落ち込みそうになります・・・。

でも、何かをきっかけに急に子どもが何でもできるようになるわけではないのは、もう何度も痛感しています。

もうこれくらいで私は動じません!なんでもド~ンと来い!です。(笑)

(とはいえ、ストレスを貯めすぎないよう、ちゃんと発散もしていかないと・・・。)

 

他の子よりもできないことが多いように思えるかもしれないけれど、当人にしかない良いところや素晴らしいとこももたくさんあります。

自分も親としてまだまだ未熟なところばかり。少しずつでも成長できるように頑張ります!

これからも実体験を交えて、いろいろと情報を整理していきたいと思いますし、同じように悩む方の参考になったら嬉しいです。